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教員の意識調査(前編)理想の教員像「授業がわかりやすい」

ブラックともいわれる教職、本人たちの意識は?

日本教育公務員弘済会と提携していて、教職員向けの保険商品を多く扱っているジブラルタ生命保険株式会社(東京都千代田区)は、2022年8月8日、「教員の意識に関する調査2022」の結果を発表した。

授業以外の雑務も非常に多く、特に中学・高校などは放課後や土日の部活指導などもあって労働時間が非常に長いなど、「ブラックすぎる」とも言われる先生方。本人たちはどのように考えているのだろうか? 今日と明日とで見ていこう。

【「教員の意識に関する調査2022」調査概要】

調査対象 20歳~69歳の教員
(小学校・中学校・高等学校・特別支援学校)2000名
(男性1000名、女性1000名)
調査期間 2022年6月9~19日
調査方法 インターネット

尊敬する恩師に出会い教員に

2000名の教員に、教員になりたいと思った理由を聞いたところ、「尊敬する教員・憧れる教員に出会ったから」36.9%が1位。“恩師”との出会いがきっかけになった人が多いようだ。

次いで高くなったのは、「教えることが好きだから」33.6%、「子どもが好きだから」(32.1%)、「収入が安定しているから」27.3%、「専門分野の研究をしたいから」12.2%。

そのほか、「学校(先生)が嫌いだったから」や「学校が好きでなかったから」など、自分自身で学校をより良くしたいという思いを持って教員を志した人もいるようだ。

男女別にみると、男性では「クラブ・部活の指導をしたいから」が17.1%と、女性4.6%と比べて10ポイント以上高くなった。他方、女性では「子どもが好きだから」が38.0%と、男性26.2%と比べて10ポイント以上高くなった。

児童・生徒の成長にやりがい

教員としてどのようなときにやりがいを感じるか聞いたところ、「児童・生徒の成長が感じられたとき」79.4%が1位。次いで、「児童・生徒の笑顔をみたとき」52.8%、「児童・生徒と感動を分かち合えたとき」45.8%だった。

そのほか、「自分の仕事が評価されたとき」38.2%や「自分の成長を実感したとき」26.7%、「児童・生徒が卒業後に会いにきたとき」24.6%、「児童・生徒が卒業後に活躍したとき」19.6%などが上位に挙がった。

「授業がわかりやすい」教員が理想

 理想の教員像については、「授業がわかりやすい」が75.6%とダントツで高く、「児童・生徒のやる気を引き出している」56.1%、「児童・生徒とのコミュニケーションが上手」53.5%と続いた。

年代別では、20代は「児童・生徒から慕われている」61.3%、60代は「幅広い知識を身に付けている」59.3%が、全体と比べて10ポイント以上高かった。

「授業の準備」にひと苦労

教員の仕事で苦労していることを聞いたところ、「授業の準備」42.1%が最も高くなった。「理想の教師像」で 1 位に挙げられた「児童・生徒にとってわかりやすい授業」をするため、準備に苦労している人も多いようだ。次いで高くなったのは、「保護者とのコミュニケーション」38.2%、「学校行事の準備・運営」35.4%、「児童・生徒の生活指導」32.2%、「テストの作成・採点」24.7%。そのほか、「コロナ対応」や「コロナ対策」など、やはり新型コロナウイルス感染症対策を負担に感じている人もいるようだ。

明日はこの教員の意識調査のなかでも、先生方が「子どもの頃に就きたかった職業」や、「スーツでもスニーカーを履く」など少しクスッと笑ってしまう「教員あるある」を見てみよう。

(取材・文/大友康子)