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QS社「世界大学ランキング」に日本の大学50校が選出

河合塾グループを運営する『株式会社KEIアドバンス』の日本地区オフィシャルパートナーであるイギリスの高等教育コンサルタント『QS社(Quacquarelli Symonds社)』が、「世界大学ランキング」の第19版を発表した。

世界ランキング第1位は、11年連続で「マサチューセッツ工科大学」

世界で最も信頼性の高いと称されるこの大学ランキングで1位に選ばれたのは、アメリカの「マサチューセッツ工科大学」。11年連続で世界第1位となり、記録を更新した。今回の発表で選出された日本の大学は全50校で、「東京大学」は日本最高ランキングながら、前年と同じ23位に留まった。「京都大学」は3つ順位を下げて36位に。前回100位以内だった「東京工業大学」「大阪大学」「東北大学」はそれぞれランクアップを果たしている。

特に、昨年から1ランク上昇し、55位に選出された「東京工業大学」は2009年版以降で最も高い順位を記録。68位(昨年より7ランク上昇)の「大阪大学」は、雇用主からの評判調査およびQSの研究インパクト指標を向上させている。

QS 世界大学ランキング2023:国内大学TOP15

2023 2022 大学名
23 23 東京大学
36 33 京都大学
55 56 東京工業大学
68 75 大阪大学
79 82 東北大学
112 118 名古屋大学
135 137 九州大学
141 145 北海道大学
197 201 慶應義塾大学
205 203 早稲田大学
312 285 筑波大学
338 343 広島大学
363 386 神戸大学
392 381 東京医科歯科大学
490 477 千葉大学
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日本の私立大学トップは、「慶応義塾大学」の197位。2022年の201位から4ランク上昇し、トップ200に返り咲いた。「早稲田大学」は205位(2022年は203位)だった。

日本から新たにランクインを果たした大学は、「立命館アジア太平洋大学」(801-1000位)、「関西学院大学」(1201-1400位)の2校。50校中、ランクアップした大学は22%にあたる11校で、ランク維持は18校(36%)、19校(38%)がランクダウンした。

「東京大学」は世界ランキング23位、アジア地区では6位に選出

なお、アジア地区トップ10には、「東京大学」が6位、「京都大学」が9位にランクイン。トップは、シンガポールの「シンガポール国立大学」で、5年連続でアジア地区のトップ大学として認識されている。2位は「北京大学」、3位は「清華大学」と中国の大学が続く。

世界トップ50にランクインした日本の大学は「東京大学」と「京都大学」の2校のみ。トップ100には5校、トップ200には9校、トップ300には10校、トップ500には15校がランクインしているが、中国(71校がランクイン)はトップ20に2校、トップ50に5校が選ばれるなど、水をあけられている。

「QS世界大学ランキング」の中で日本の大学が苦戦を強いられていることについて、同社のシニアバイスプレジデントのベン・ソーター氏は、「我々のデータは、世界の学術関係者が日本の大学を依然として高く評価していることを示唆していますが、その一方で、日本の大学ランキングの下落の主な原因は研究業績の低下であることを示しています」とコメントしている。「これは、過去20年にわたる日本の知的資本への過少投資の結果であり、日本の博士号取得者数は2003年のほぼ半数です。博士号取得者を絶え間なく増やし続けている中国と日本とは、一線を画していると言えるでしょう」。

後編では、第12版となる分野別QS世界大学ランキングについて紹介する。

(取材・文/松井さおり)