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特集 帰国生受験の報告書|中学校の帰国生入試 最新情報

コロナ禍以降の帰国生入試において目立つ変化を、中学受験を応援する4塾に伺いました。

一般入試と同様の変化も変化しない部分もあり

 コロナ禍と、やや混迷している大学入試改革は、ここ1~2年で一般入試に大きな地殻変動をもたらした。帰国生入試でもこれは無視できず、「私立校、大学附属校、難関校の人気上昇」や「受験する学校の絞り込み傾向」などは、一般入試の受験者同様、注目しておくべきポイントと言える。

 一方で、一般入試と異なるのが「出題内容に変化がないこと」だ。もともと帰国生入試は一般入試とは別枠で独自の進化を遂げているため、ここ1~2年も出題内容を例年通りとする学校が多い。また、国内外の渡航制限などを理由に、オンライン入試を検討・実施する学校が私立校を中心に増加。これは海外滞在中の受験に一役買う。

 コロナ禍の影響がまだまだ続く昨今。状況次第で緊急帰国になるケースなども想定しながら、左の心得を頭に入れておいてほしい。動き出しは早めに。やるべきことをより丁寧に、根気強く。シンプルだが、その3つが帰国生受験成功のカギになるようだ。

オンライン入試増、海外現地入試減

「オンライン入試の増加は、容易に出入国できない状況を鑑みての学校側の配慮だと考えられる。これに連動して、海外現地入試は減少傾向に。ただし海外現地入試を実施すると、特に大都市圏で受験生を集めることができるので、今後も一定数は実施されるはず」(JOBA)

人気が高いのは大学附属校、難関校

「やや混迷している大学入試改革を受けて、どうなるかわからない大学入試を回避できる大学附属校を選ぶ家庭が増えた。また、AI(人工知能)が想像以上に発達していると考えられる将来、必要なのはやはり『頭脳』だと多くの保護者が気づき、難関校人気が加速している」(四谷大塚)

コロナ禍により私立受験ブーム到来

「緊急事態宣言等で通学が叶わなくなった際、私立はいち早くオンライン授業等、子どもたちの学習を止めない対応を実施。そこで公立との差が浮き彫りに」(日能研)。「コロナ禍で教育の大切さを再確認した家庭多数。教育設備等の充実した私立の人気は当分続くはず」(四谷大塚)

受験する学校の絞り込みが進む

「コロナ禍で学校説明会やオープンキャンパスに対面参加できなかった家庭が多く、試験会場での感染を危惧した人も多かったため、これまでより受験校数が少なめに。今後も、受験する学校を精査し、『ここなら!』という学校にしぼって受験するケースが多くなると思われる」(名門会)

受験科で英語の割合が増加

「受験科目としての英語の増加は、私立中がグローバルな人材を多く求めていることの現れ。国語、算数だけではなく、英語を組み合わせた入試は今後も増えていくと予想される」(日能研)。「少子化が進むなかで、受験生を集めるための施策として、英語入試を取り入れる学校も」(名門会)

専門家が提案する 中学受験生保護者の5つの心得

1.中学受験をさせるなら急な帰国も想定して動き出しを早めに

コロナ禍の影響などでの緊急帰国も考えられるため、受験を希望する場合は次の2点を意識。「小6の4月以降はこまめな情報収集を心がけ、それをヒントに、戦略的なスケジュールを立てる」(JOBA)。「私立ブームでライバルが増えるため、志望校を早めに決めて、志望校に応じた対策を進める」(四谷大塚)

2.海外でも参加できるオンライン説明会は、下調べがマスト

一時帰国せずに参加できるオンラインの学校説明会は非常に便利だが、漫然と視聴するのはもったいない。「事前に学校のHP等を確認して、何を深く知りたいかをはっきりさせてから参加しよう」(名門会)。「『我が子にどんな教育を受けさせたいか』を考えて、学校の教育方針と照らし合わせを」(四谷大塚)

3.帰国生入試そのものが変化するかは未確定!受験準備は粛々と

「コロナ禍を経ても帰国生入試に大きな変化は見られなかったが、今後の変化は未確定。粛々と準備を」(日能研)。準備に際しては「低学年時期に基礎学力と努力する習慣を身につけて、高学年時期にはそれらを土台に、応用力と論理的思考力を高める学習を地道に行うこと」(四谷大塚)を念頭に置く。

4.我が子が得意なものは、ほかの帰国生も得意?差は学びの場でつける

近年求められているのは、暗記力ではなく、得た知識を活用して自分の答えを導き出す力。海外で様々な経験をした帰国生である我が子には有利だが、それはライバルの帰国生も同じ。そのため、「可能であれば、こうした学力を伸ばしてくれる塾など、学びの場を提供してあげるのが得策」(日能研)だという。

5.英語入試の難化に備え、英語の資格試験は積極的に受験しておく

グローバル化により、近年は一般入試に英語を導入したり、帰国生入試の英語問題を難化させたりする学校が増加。「選択する学校にもよるが、帰国生入試では英検準1級くらいは特別ではなくなっている」(日能研)。そのため、「海外滞在中から英語の資格試験の対策をして、積極的に受験を」(JOBA)

お話を伺った塾(五十音順)

海外・帰国子女教育専門機関JOBA
海外校・海外提携校、オンライン校、国内校の運営などを通して、赴任前、海外滞在中、帰国後の子どもたちをトータルサポート。

日能研グローバルサービス
中学受験予備校の日能研で2005年より展開して16年目を迎える、帰国子女生に向けたプロジェクト。難関校への合格実績多数。

完全1対1の双方向型オンライン授業 名門会
「合格逆算カリキュラム」「社会人プロ講師のみの指導」が特徴。個々の志望校の合格基準に合わせた専用カリキュラムにて指導する。

四谷大塚
帰国生向けの特別講座等を実施。海外24都市とのネットワークを利用して模試や情報提供などを行い、海外生の受験もサポート。

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