“インポスター症候群”とは?
「インポスター症候群」をご存じだろうか? インポスター症候群とは、自分自身を過小評価してしまう心理状態のこと。インポスター症候群になると、勉強や仕事などで良い結果を残せたとしても、「運がよかった」「周りの協力のおかげ」など周りの力が要因の大半で、自身の頑張りを評価しなくなってしまうという。
全身脱毛サロン「KIREIMO(キレイモ)」を運営する株式会社ヴィエリス(東京都渋谷区)は「インポスター症候群」に関するアンケート調査(※)を実施した。本日はそのアンケート結果をチェックしてみよう。以下の問いに「Yes」が多いほど、子どもをインポスター症候群に導いてしまう可能性があるという。
※「インポスター症候群」に関するアンケート調査
調査期間 | インターネット調査 |
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調査期間 | 2021年10月20日~同年10月22日 |
有効回答 | 東京都在住で小学生(6年生)までの子どもがいる30~40代の女性103人 |
6割以上「自分の子と他の子を比較した経験がある」
「知人や友人の子どもの活躍を見ると焦りを感じて、『~さんちの子はこんなに勉強ができるのに』などと子どもに態度や言葉でぶつけてしまったことがありますか」と質問したところ、「週に数回程度行ってしまっている」が12.7%、「週に1回程度行ってしまっている」が8.7%という回答となった(以下、下記グラフ参照)。「まったく行ったことがない」という回答は35.9%で、64.1%のママが、自分の子どもと他の子どもを比較した経験があった。
6割のママ「男(女)の子なんだから」と叱った経験あり
次に「『お兄(姉)ちゃんなんだから』『男(女)の子なんだから』と子どもを社会通念に当てはめて叱ってしまうことがありますか」と質問したところ、「週に数回程度行ってしまっている」が11.6%、「週に1回程度行ってしまっている」が7.8%という回答となった(以下、下記グラフ参照)。60.3%のママにその経験があり、「まったく行ったことがない」という回答は35.9%だった。
半数のママ「子どもの意向に添わない習い事を続けさせた経験あり」
子どもの意向に添わない習い事を「子どもの将来のためだから」「自分がやりたかったから」などの理由で続けさせたことはあるか質問したところ、「とてもある」が18.5%、「少しある」が32.0%、合計50.5%のママが「経験がある」と回答した。
半数以上「子どもを自分と同一視してしまうことがある」
「子どものことを、あなた自身の分身や所有物のように『自分と同じように考えるだろう』などとつい同一視してしまうことはありますか」と質問したところ、「とてもある」が13.6%、「少しある」が39.8%、合計53.4%のママが「子どもを自分と同一視してしまうことがある」と答えた。
7割弱「第三者の前だと子どもを悪く言ってしまうことがある」
「第三者と一緒にいる時、謙遜のつもりで子どもを悪く言ってしまうことがありますか」と質問したところ、「とてもある」が19.4%、「少しある」が47.6%、合計67%のママが「子どもを悪くいってしまうことがある」と答えた。
問いに「YES」が多いほど子どもが自分自身を過小評価してしまうインポスター症候群になりやすいとのことで、筆者自身、我が子(現在は大学生と社会人)が小さかった頃を振り返り、背筋に冷たいものが走るのを感じている。
インポスター症候群を知り子どもとの接し方に変化を!
そもそも、直接子どもに関する事業を行っているわけではないヴィエリスはなぜこの調査を行ったのだろうか? 株式会社ヴィエリスSDGs推進室室長・ 山脇 有希子(やまわき・ゆきこ)氏に伺った。
「創業当社から女性従業員が98%在籍するヴィエリスは女性の活躍を推進しております。一方で、特に昇進辞令を出した女性社員から『私なんかが』『私には荷が重い』と自信のなさから辞退を申し込まれるケースが多々ありました。
これに疑問を抱いたヴィエリスが到達した答えが、『インポスター症候群』です。インポスター症候群は幼少期の経験が要因とされるケースもあり、母親と子どもの関係について調査しておりました。インポスター症候群の存在を知ることで、自分自身を振り返り、子どもへの接し方や考え方に変化をもたらすのではないかと思い、今回の調査に至りました。
明日は逆に、インポスター症候群を防ぎ、子どもの自己肯定感が育ちやすい行動についての質問結果を見てみよう。
(取材・文/大友康子)