コロナ禍が続く中で、2023年卒学生の就活準備は着々と進んでいる。オンライン中心の活動からは、どのような特徴が見られるだろうか。『キャリタス就活2023』の学生モニターを対象に行った、9月後半時点での就職意識や就活準備状況などに関する調査の結果を見てみたい。
対面参加は約4割、オンライン参加は9割以上
これによると、9月後半時点でのインターンシップ等の参加状況(オンラインを含む)について、「1日以内のプログラム」への参加経験を持つ学生は9割に迫る高水準(87.2%)で、前年調査よりも4.3ポイント増加したことが明らかになっている。「2~4日間のプログラム」の参加率は、52.2%(前年より2.6ポイント増)で過半数にのぼった一方で、「5日間以上のプログラム」は約2割にとどまり(20.2%)、参加者は限定的だった。参加者数でも、「1日以内のプログラム」が平均5.6社と、2日以上の2倍以上にのぼり、短期プログラムへの参加が中心だったことが分かる。
参加時期は「8月」「9月」が多く、夏季休暇中の参加が中心。前年調査と比較すると「6月」「7月」が大幅に増加しているのが目立ち、開催時期を早めた企業が多かったことがうかがえる。
インターンシップ等のプログラムの参加経験者に、参加状況を形式別に尋ねたところ、対面(リアル)への参加率は37.8%で、前年の61.9%より大幅に減少した(24.1ポイント減)。一方、オンライン形式は、前年よりさらに増加し、ほとんどの学生が参加経験を持つが(97.8%)、これは長引くコロナ禍の影響により、オンラインで実施する企業が増えたためと考えられる。今夏は「第5波」の影響により、急遽対面からオンラインに切り替わったケースも少なからずあったよう。オンラインの比率が高まったこととで、先に見た短期プログラムへの参加増につながったと思われる。
対面参加とオンライン参加の間で、理解度・満足度に差が出る結果に
企業・仕事への理解度とプログラムへの満足度を、それぞれ参加形式別に尋ね、比較したところ、理解度については、対面形式は「十分に理解できた」が約6割を超えた(66.9%)のに対し、オンライン形式は「十分に理解できた」は約3割(31.5%)となり、対面の半分程度にとどまっている。ただし、「やや理解できた」(60.7%)を合わせると9割を超え(計92.2%)、オンラインでも一定の理解が得られている様子がうかがえる。
満足度についても同様の傾向が見られ、対面では「大変満足」が7割近いのに対し(68.3%)、オンラインでは約3割(29.9%)だったが、「やや満足」(57.3%)を合わせると9割近くになっている(計87.2%)。
後編となる次回の記事では、就活生から寄せられた「インターンシップに参加してよかったこと」に関する声を紹介したい。
(取材・文/松井さおり)