次世代クリエイターの発掘と育成を目指す
中高生を対象にしたスマートフォン・Webサービス向けアプリ開発コンテストとしては日本最大級の「アプリ甲子園」。その決勝大会がまもなく開催される。
次世代を担うクリエイターの発掘と育成支援を目的として2011年より開催。決勝大会では、応募作品の中から二次予選を通過した10組が公開プレゼンテーションを行い、情報の分野等で活躍する審査員がアプリの企画力を審査。また、端末上で実際にアプリを操作したり、ソースコードを確認しながら、技術力の審査も行う。「企画力×技術力」をもとに最優秀作品を選出、表彰する。未来のクリエイターたちが競い合う決勝大会を前に、コンテストの狙いやこの11年間の変化について、アプリ甲子園運営事務局の江口諒(えぐち・りょう)氏に話を聞いた。
「第1回目の開催当時、高校野球の球児が約20万人ということで、プログラミングをできる中高生もそれくらい増やしたい、という思いで開催を続けてきており、年々応募数も増えてきています。評価に関しては、初回の2011年から、“企画力×技術力”を軸にする点は変わっていません。ただ、この10年間で、スマホやアプリが生活の隅々にまで普及し、AIを搭載した家電も増えるなど、時代が大きく変わってきました。中高生の応募作品に関しても、当初は自分や家族にとって便利なアプリを考える、という身近な観点のものが多かったのですが、最近は多くの人々から集めたデータを活用するアプリなど、より多くの人々に役立つようなアプリの企画が増えてきました。例えば、2016年の応募作品に、高齢者の認知症対策として靴に追跡機能を搭載するというIoTをつかったアイディアがありました。認知症の方が徘徊してもどこにいるかわかる、というアイディアでしたが、その辺りからより社会性のあるアプリが応募されるようになってきたと感じています」
中高生ならではのユニークな発想力
個から社会へと応募作品の傾向が広がりを見せる一方で、中高生ならではの発想が光るものも多いという。
「過去作品に、ヲタ活の記録を残すアプリ、芸能人と妄想チャットができるアプリ、女子高生が面倒な誘いを断りたいときに最適な言い訳をすぐに検索できるアプリ、といったものもありました。大人では思いつかないユニークな企画力だと思います」(江口氏)
決勝大会は10月24日(日)東京の日本科学未来館・未来ホールにて開催、当日の模様はYouTubeにてライブ配信される。今年のファイナリストの応募作品については、明日配信の(後編)にて紹介する。
※「アプリ甲子園」の詳細(https://applikoshien.jp/)
ライブ放映先 (https://www.youtube.com/watch?v=9qTVec5mMfc)
(取材・文/中山恵子)