準グランプリは山口県立周防大島高等学校≪HAZAKURA≫
(前編)から続く。
株式会社リクルートが主催する高校生対象のアントレプレナーシップ・プログラム『高校生Ring 2024』の最終審査会『高校生Ring AWARD 2024』が2月15日に開催された。ファイナリスト5組がプレゼンテーションを行った後、審査の結果が発表された。
準グランプリには、山口県立周防大島高等学校のチーム≪HAZAKURA≫が選ばれた。考案したのは、発達障がいを抱える生徒が日常生活における困りごとや焦り感を解決するためのアプリだ。結果が発表されると、登壇した生徒は「よくがんばったな、自分」と満面の笑みで一言スピーチを行い、会場から温かい拍手が送られた。

審査員のひとり、リクルート執行役員の柏村美生氏は、「当事者としての困りごとをデータでためていくなかで、自分の特徴を自分でメタ認知することができ、ご家族や先生たちがより深く理解することもできます。将来的には、障がいについてより深く社会や職場が理解していくことにもつながると思いました。熱のこもった素敵なプレゼンでした」と称えた。
グランプリは佐久長聖高等学校≪amama≫
グランプリには、佐久長聖高等学校のチーム≪amama≫が選ばれた。チーム名が呼ばれると、驚いた表情を見せた生徒たち。トロフィーを受け取ると、「今まで3人でいっぱい頑張ってきたので、このような賞がもらえてとても嬉しいです」と感無量の様子で受賞を喜んだ。

審査員を務めたリクルート『スタディサプリ』プロダクト責任者の池田脩太郎氏は、「今回は大接戦でしたが、≪amama≫のみなさんの案件は、ある種のイノベーションが起きる瞬間に立ち会えた気がしました。『半径5m』の課題に率直に向き合った結果、“天気と気温が当たっているかじゃなくて、自分にそれがどう感じられるかが大事じゃない?”と気付いたのだと思います。課題とプロダクトが一致し、かつ既存の天気アプリと一線を画する形で実現できるのではないか、というのがポイントでした。着眼点と発想を評価し、グランプリとさせていただきました」と賛辞を送った。
アントレプレナーシップ教育の広がりに期待
最終審査会が終了後、池田氏に話を聞いた。アントレプレナーシップ・プログラム「高校生Ring」は初年度の2021年度は4校500人からスタートし、本格実施した2023年度は123校2万5,827人、2024年度は164校3万2,244人と大きく拡大しているが、「現在も多くの高校が導入を検討してくれていて、来年度はさらに増えそうです」と話す。年々、生徒たちが考案するビジネスプランも発展しているという。
「ファイナリストに残る生徒さんたちは、過去の最終審査会の動画などを見て研究しているので、要点を抑えた素晴らしいアイディアを出してくれます。その中でも、高校生らしいオリジナリティや、大人が見過ごしてしまうような素朴な問いに素直に向き合っているアイディアを評価しています。我々もとても勉強になり、来年以降も楽しみです」(池田氏)
海外からもアントレプレナーシップ・プログラムに参加可能
現在は日本にある高校からの参加者が中心だが、今年度(2024年度)から個人参加も受け付けており、来年もその予定だという。
「海外に在住の日本の生徒さんも、エントリーシートをお送りいただければ参加可能です。審査員を務めていただいた、バブソン大学アントレプレナーシップ准教授の山川恭弘先生も、日本では『アントレプレナーシップ』と言わないとムーブメントは起こらないけれど、海外ではその精神は当たり前に浸透しているとおっしゃっています。ですから、いずれ帰国生の方々も参加して、海外でのそういったムーブメントを日本にもたらしてくれるとありがたいですね。我々も大歓迎です」(池田氏)
未来を支える高校生たちに向けたアントレプレナーシップ教育のさらなる拡大を期待したい。なお、今回の最終審査会の様子は、後日リクルート公式YouTubeチャンネル等で公開予定だ。
●関連サイト
全国アントレプレナーシップ人材育成プログラム – 自分の未来は、自分でつくる(文部科学省)
(取材・文/中山恵子)