国境越えの子育て

vol.1

国境越えの子育て

 
Vol.1

娘たちに望んだことは異文化の体得

帰国後どれだけ維持させてやれるかが課題です

白井 顯一さん 横浜ゴム株式会社
タイヤグローバルマーケティング室
CMP(チーフ マーケティング&プランナー)
 

半年後のいま、思うことは「あの学校で良かった」

渡米当初、一番迷われたというお子さんの学校選び。 かなり具体的に想定した上での決断は、帰国して約半年、効を奏しているようだ。

「現地校と日本人学校、それぞれに利点があるので迷いました。 最終的には、私たち家族にとって最適だった日本人学校に決めました。 学校の諸手続きや毎日の送り迎えを考えたとき、当時小学5年生と2年生だった娘たちを現地校に入れると、別々の学校に通うことになり、手間は2倍。 昼間は私が手伝ってやれないですし、言葉の問題などを考えてもリスクが大きすぎました。 日本人学校には同じ立場の駐在員の子どもが多く、転校生にも優しい。子どもたちもすぐに馴染んでくれました。 また、いわゆる進学校系列の私立校だったため、日本の勉強をしっかりしつつ、英語にもかなりの力を注いでいました。 現地校との交流も盛んで、数年後の帰国を視野に入れた中では、充実した環境で学ばせられたのではないでしょうか」


 

渡航するのは簡単だが帰国の課題は山積み

帰国の際のご苦労は?

「意外かもしれませんが、渡航時より大変なんです。 海外から学校や受験の生情報を得るのはとても困難です。 いま、娘たちを公立の小中学校に通わせています。 中途半端な学年での帰国でしたが、幸い帰った先が子どもたちの生まれ育った街で、学校でも帰国子女が珍しくはないようだったため、精神的負担は少なかったと思います。
ただ、帰国子女や外国の子どもたちを受け入れ育てる環境が、国や地域レベルで強く求められていると感じますね。 公立高校や中高一貫校での帰国子女編入の受け入れ、学力以外に国際経験も重視する評価方式の構築、言語力を維持できる教育や国際交流の推進など、個人では限界がありますから」

子育て環境についても、思うところは多い。

「日本では、住宅事情を考えると、向こうでのように大勢でのホームパーティはなかなか行えず、妻子付帯の交流も文化的には根付いていません。 地域・家族ぐるみの子育てによる効果は大きく、日本でそれをどうするかは課題です。 今後それも考えつつ、娘たちが海外生活で得たものをどれだけサポートしてやれるかが、親の役割だと思っています」

国境を越えても変わらない豊かな愛情と冷静な判断。頼り甲斐のあるパパの強みはそこにあった。

 

 
滞在期間
◆2007年7月〜2010年12月
アメリカ・カリフォルニア州・ロサンゼルス
  • 帰国子女・海外生のための学校紹介 動画版